戳脚

戳脚は日本ではあまり聞かない、馴染みのない門派ですが、中国では北腿名拳として知られるとても有名な一大門派です。

古くは、九翻鴛鴦脚、九枝子、趙子脚などとも呼ばれていました。

当会の戳脚は、遼寧省瀋陽市で故干伯兼老師から教わった戳脚で、武趙子(武式)と文趙子(文式)の二系統を伝承しています。

戳脚と翻子拳

戳脚について、日本では翻子拳と一緒に弊習される武術としての方が知られているかもしれません。
翻子拳は手技が多く、足技が少ない武術なので、足技の多い戳脚と相互補完として弊習されるようになったといわれています。

戳脚の特徴

戳脚は脚の拳法ともいわれ、他の中国武術に比べて非常に蹴技が多彩だといえます。 しかし実際の戳脚は、手技と脚技が半々程度でしょう。 手技には特に禽拿(関節技)が多く、捶法(パンチ)も一通り備わっています。 むしろ戳脚の大きな特徴は、その軽妙な歩法にあるといえます。

武趙子と文趙子

『趙子』とは、戳脚門独特のいい方で、套路のことです。套路とは日本でいう型のことです。
つまり、武式・文式とは、武派・文派。武趙子・文趙子といえば、武派套路・文派套路。といった意味でしょうか。

武趙子は、1路から9路まであり、それぞれがとても短く構成されています。
現在、表演試合で多く見られる戳脚は、こちらの武趙子を元に編集した総合的な套路です。

文趙子は、現在24式と32式が練習されています。
これは元々単式で伝わっていた(套路がなかった)文趙子を、練習しやすいように 于伯謙老師が套路として編纂したものです。

武趙子と文趙子には、それぞれ特徴があります。
武趙子は踢(蹴り)が豊富ですが、文趙子はそれほど多くありません。
武趙子は歩法(フットワーク)も多彩で、軽快に小刻みな跳躍を繰り返し、とても難解な足の運び方をします。
(伝統の武趙子には表演試合では見られない、不思議な歩法がたくさんあります)
一方の文趙子は、直線的な歩法が多く、回り込むといった歩法はありません。
その代わり文趙子は、鋭い踏み込みや豪快な突き蹴りが多く、武趙子に比べ重厚快速な印象を受けます。

戳脚門における兵器(器械)

戳脚にも、多くの他流派同様に、兵器(器械)が伝わっています。

まず短兵器として刀術が練習されます。 その特徴は、低い姿勢で潜り込み、撫で斬るように使います。 このような刀術は他に見たことがありません。名前は十八蘭刀です。

そして長兵器として槍術があります。 一般的な槍術とよく似ているのですが、気付いたら左右の手を逆に持ち替えています。 これは左把槍というとても有名な槍術です。

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戳脚の動画

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